30代後半になると健康診断で引っかかる項目がコレステロール値です。
とくに悪玉コレステロール値が、基準値よりも高くなっていたりしていませんか?

この悪玉コレステロールを減らしてくれるのが「善玉コレステロール」です。

この記事では、善玉コレステロールの働きや特徴を解説したあと、善玉コレステロール値を上げる方法について紹介していきます。

善玉コレステロールの増やし方を知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。

善玉コレステロールの役割

血液中から肝臓へと運ばれるコレステロールのことを「HDLコレステロール」といいます。
また、HDLコレステロールは「善玉コレステロール」と呼ばれ、広く知れ渡っているので聞き慣れた言葉ではないでしょうか?

善玉コレステロールは、血液の中を全身めぐりながら、細胞から余ったコレステロールを回収しているのです。
そして、回収したコレステロールを肝臓へと運ぶ役割を担っています。

肝臓に運ばれたコレステロールは、再び利用されたり、分解または排泄されます。

善玉コレステロールの役割

出典:セルジェンテック

つまり善玉コレステロールは、血管に余分なコレステロールがたまらないよう、血液を清掃する役割を果たしているのです。

善玉コレステロールが低いと動脈硬化の原因になる

善玉コレステロールが不足していると「動脈硬化」を引き起こす原因となります。

日本動脈硬化学会では、検診結果の基準値で善玉コレステロール値が40mg/dl以下だと「低HDLコレステロール血症」と定めています。
理想的な善玉コレステロール値は60mg/dl以上です。

コレステロールはとりすぎると、体に悪いというイメージが強くすり込まれています。
しかし善玉コレステロールに限っては、不足しすぎるのが問題となるのです。

善玉コレステロール値の基準値は?

善玉コレステロールは、健康診断表では「HDLコレステロール」で表記されています。
善玉コレステロール値と診断症状について下記の表にまとめてみました。

HDLコレステロール値 診断症状
40~99mg/dl 正常値
40mg/dl未満 低HDLコレステロール血症
100mg/dl以上 高HDLコレステロール血症

ただ単純に善玉コレステロールをすごく高めればいいという話ではなく、正常範囲内でコントロールすることを心掛けることが大切です。

善玉コレステロールが低くなる原因

善玉コレステロールが低くなる原因

善玉コレステロール値が低い原因の1つに生活習慣の乱れが上げられます。

善玉コレステロールが減る原因は以下のようなものです。

  • 喫煙者
  • 大酒飲み
  • 運動を全くしない
  • 植物性タンパク質の不足
  • 植物性油の不足
  • 青魚を食べない
  • 肥満体質

これらに当てはまる項目が多いほど、善玉コレステロール値が低くなり、逆に悪玉(LDL)コレステロールを増やしてしまう原因になってしまいます。

HDLコレステロール値を増やす3つ方法

1.善玉コレステロールを増やす食べ物

善玉コレステロールを増やす食べ物

食生活を見直すことで、善玉コレステロールを増やすことが可能です。
なるべく3食中1食には以下の食べ物を摂るようにするといいでしょう。

野菜

野菜の中でも特に緑黄色野菜がオススメです。
野菜に含まれる食物繊維やビタミンC、ビタミンE、抗酸化作用などの栄養素が含まれています。

この栄養素が悪玉コレステロールを掃除してくれる役割がありので、善玉コレステロールを増やすというよりサポートしてくれる心強い食べ物となります。

厚生労働省によると野菜の摂取量は1日350gが理想とされています。
また、どうしても野菜を十分に摂ることができない場合は、野菜ジュースやトマトジュースなどで補うのも1つの方法です。

青魚

サンマやサバ、イワシなどの青魚に含まれるDHAとEPAといった多価不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。

青魚に多く含まれるDHAとEPAには、悪玉(LDL)コレステロールを排出するのを促進したり、血栓予防や血圧を下げる効果もあるのです。
また、魚に含まれるタウリンにも、コレステロール値や血糖値、血圧を改善する働きがあります。

厚生労働省ではDHAとEPAの摂取量が1日1,000mg以上を推奨としています。
ちなみに、欧州食品安全機関では1日5,000mg、アメリカでは1日3,000mgが推奨されています。

さて、この1,000mgを摂るために必要な魚の量ですが、油が多い青魚に多く含まれています。
しかし調理してしまうと油が外に逃げてしまうので摂取量が減ってしまうのです。なので、なるべく刺身などで食べると効率よく摂取することができます。

マグロ(トロ)であれば2~5切れ、ハマチで3~5切れ程度で補うことが可能です。

魚が苦手な人や量を多く食べれない人は、DHA・EPAサプリメントと併用することで1日に必要な量を補うようにしましょう。

豆乳

豆乳には大豆タンパク質が含まれています。
この大豆タンパク質には、悪玉(LDL)コレステロールを減らし、善玉コレステロールを増やしてくれる働きがあるのです。

豆乳は成分無調整のものを選ぶとより効果的です。

大豆にはレシチンやイソフラボンが含まれておりこの成分が善玉コレステロールを上げる効果があります。
だからといって、大豆製品を毎日大量に食べてると逆に善玉コレステロールが低下する結果も発表させています。

通常に食べる量が一番効果的です。

オリーブオイル

オリーブオイルには豊富なオレイン酸が含まれています。

オレイン酸の役割は、動脈硬化の原因となる悪玉(LDL)コレステロールを減らし、さらに悪玉(LDL)コレステロールを掃除してくれる善玉コレステロールを増やしてくれるのです。

オリーブオイル

出典:BOSCO

お味噌汁や納豆、スープ、パスタなどにかけると効率よく摂ることができるのでオススメです。

チョコレート

お菓子メーカーの明治と愛知学院大学によるとチョコレートを食べることで、血圧を低下させる効果や善玉コレステロールを増やす効果があったと発表されました。

カカオ成分72%の高カカオポリフェノールのチョコレート25gを1ヶ月間毎日摂取した結果だそうです。
(対象年齢:45~69歳、対象人数:男性123人、女性224人)

最近では、スーパーでもカカオ成分量の高いチョコ―レートが売られているので、70%以上のものを購入して食べると効果が期待できます。

通常のチョコレートは糖分が多く含まれているので控えた方がいいでしょう。

ヨーグルト

ヨーグルトには乳酸菌が含まれています。

乳酸菌は善玉菌のエサとなり増やす効果があります。
善玉菌が増えることで悪玉菌を減らし善玉コレステロール値が増えるきっかけを作ってくれます。

乳酸菌には色々な種類が出ていますが、人によって合う合わないがあるので、色々試して見ることが必要です。

また、乳酸菌以外にもオリゴ糖が含まれるものがあったら、そちらを選ぶといいかもしれません。
オリゴ糖は消化されにく特性があるので、善玉菌が多くいる腸内フローラまで届きやすいので効果がさらに期待できます。

2.運動で善玉コレステロールを増やす

運動で善玉コレステロールを増やす

善玉コレステロールは運動でも増やすことができます。

米国の内科学雑誌「Archives of Internal Medicine」に掲載された曽根博仁・お茶の水女子大学生活科学部准教授らの研究によると、まとまった運動を週に900kcal以上消費することで、善玉コレステロールを増やせるそうです。

ただし、1回当たりの運動量が30分以下だと効果が少ないのですが、30分以降10分ごとに善玉コレステロール値が約1.4mg/dL増加することが判明しました。

厚生労働省のデータによると、1日の歩数が多いほど善玉コレステロールの数値が高いとされています。

激しい運動はする必要はなく、30分以上ウォーキングを週に3回程度から始めて、慣れてきたら毎日行うと効果がさらに期待できます。

3.禁煙で善玉コレステロールを増やす

禁煙で善玉コレステロールを増やす

喫煙すると動脈硬化を促進したり、善玉コレステロールを減らしてしまうことが明らかになっています。

喫煙者で善玉コレステロール値が低い場合は、禁煙をするだけで善玉コレステロールを増やすことができます。

禁煙するときですが、口寂しくて吸っている行動依存に人はニコチンが含まれない電子タバコに切り替えで徐々に禁煙するといいでしょう。
ニコチン依存の場合は、禁煙科に通うか、有害成分が大幅にカットされた加熱タバコに切り替えて徐々に禁煙していくといいかもしれません。

善玉コレステロール値が低いと起きる病気

善玉コレステロールの役割が悪玉(LDL)コレステロールを排除することなので、善玉コレステロールが低くて「低HDLコレステロール血症」と診断された人は、動脈硬化のリスクが高まる恐れがあります。

動脈の役割は、体中に酸素や栄養素を運ぶ重要な働きをしています。

悪玉(LDL)コレステロールが排除されず、動脈内に色々な物質が沈着されやすい環境になってしまうと、段々と血管内が狭くなり、血流の流れが悪くなっている状態が動脈硬化というわけです。

動脈硬化がきっかけで起こりやすい病気

動脈硬化がきっかけで起こりやすい病気

脳卒中(のうそっちゅう)

脳卒中」は脳動脈が破れたり、詰まったりすることによって起こる病気です。

脳卒中の症状としては、

  • 発作が起きる
  • 顔や手足が麻痺したりしびれたりする
  • ろれつがまわらない
  • 言葉が出ない
  • 呼びかけても反応が悪い
  • 頭痛がする
  • 吐き気がする
  • 嘔吐
  • めまいがする

などの症状が出やすいです。

狭心症(きょうしんしょう)

心臓に血液を送る冠動脈内が動脈硬化によって狭くなったりすると、心臓への血液が十分に流れず、酸素不足に陥って胸の痛みや圧迫感を生じるのが「狭心症」です。

狭心症の症状としては、

  • 胸が痛い
  • 胸が圧迫される
  • 胸が締め付けられる
  • 胃が痛い
  • 吐き気がする
  • 気分が悪い
  • 歯が痛い
  • 喉の圧迫感
  • 左肩の重圧感

などの症状が出やすいです。

胸痛の範囲は手のひらで押さえるくらいの大きさなので、その場合は要注意です。

心筋梗塞(しんきんこうそく)

心筋梗塞」は、狭心症よりも重症な状態で冠動脈が血栓で完全に詰まった状態で起きる病気です。

心筋梗塞になる危険因子として、糖尿病や高血圧、脂質異常症、喫煙といいう4大因子やメタボの合併症が考えられるとされています。
また、精神的なストレスや運動不足も危険因子として注目されています。

大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)

大動脈瘤」は、動脈硬化によって大動脈がコブのように膨らんだようになった状態になる病気です。
一般的には症状がなく健康診断などによって気付くことが多いです。

この膨れたコブが少しずつ大きくなり最終的には破裂する恐れがあります。
いったん破裂してしまうと救命が非常に困難なので、早めに手術を行い取り除くことが大切です。

腎硬化症(じんこうかしょう)

腎硬化症」は、高血圧が長期間続き腎臓にある細い動脈が硬化と狭小化が起り、肝臓への血流が運ばれにくくなり、腎臓の働きが低下してしまう状態です。

腎硬化症には良性と悪性の2タイプがあります。

【良性腎硬化症】

  • 肩こり
  • 頭痛
  • めまい
  • 動悸

【悪性腎硬化症】

  • 激しい頭痛
  • 耳鳴り
  • 痙攣
  • 網膜浮腫
  • 動悸
  • 息切れ
  • 尿量減少
  • むくみ
  • 吐き気
  • 嘔吐
  • 呼吸困難

などの症状が出やすいです。

閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)

閉塞性動脈硬化症」は、動脈硬化によって動脈内が細くなり、血流が悪化する病状です。

閉塞性動脈硬化症の症状としては、

  • 手足が冷たく感じる
  • 手足にしびれを感じる
  • 歩行中に痛くなる

などの症状が出やすいです。

まとめ

善玉コレステロールは悪玉(LDL)コレステロールを除去するのに必要不可欠なコレステロールです。

バランスの良い食事や運動を心がけることで善玉コレステロールを増やすことが可能です。

いきなり全てを実行しようとすると長く続かないので、まずは自分が取り組めそうなもの初めてみましょう。

この記事を読んで、少しでも善玉コレステロールの増やし方のお役に立てたら幸いです。

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